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あーだ、こーだと言われながらも徒然に。

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吉田麻也インタビュー:「もしみんなが成功と言っても、まだ僕には足りない」(Independentより)


今回は番外編で、インデペンデント紙に掲載されました、吉田麻也選手のインタビューの様子をお届けします。

元となった同紙のページのリンクも張っておきますので、原文を楽しみたい方がいらっしゃいましたら、下記のリンクよりどうぞ。
http://www.independent.co.uk/sport/football/news-and-comment/maya-yoshida-interview-if-people-call-this-success-it-is-not-enough-for-me-10107108.html

それでは早速、吉田選手の言葉に耳を傾けてみましょう。


2012年に、ナイジェル・アドキンス監督率いる、大きな野望を抱いたサウサンプトンは二人の日本人選手を獲得した。1月には李忠成をフリーでサンフレッチェ広島から迎え入れると、その夏には、プレミアリーグの復帰へと準備を進める中、オランダのクラブであるVVVフェンロから吉田麻也を300万ポンドで獲得した。

それから3年が経ち、李は浦和レッズにてJリーグに戻っている。彼はサウサンプトンでは数多の怪我に悩まされ、わずか9試合に出場するのみにとどまっている。ところが吉田はまだセントメアリーにいる。加入して以来、誰もが予想した以上の働きを見せている。二人の監督と、その数より遥かに多いチームメイトが旅立っていく所をみてきたが、すでに3月の半ばとなる現在も、チャンピオンズリーグ出場権をかけた争いに割って入っているチームにとってこれまでと同様に重要な選手である。

これは、サウサンプトンと吉田の、予想を裏切るハードワークの物語である。今年の1月に、新契約にサインした吉田はプレミアリーグで契約延長にサインした初めての日本人選手となった。彼と同国の出身選手のほとんどが、李のように日本に戻るか、このリーグで自分の地位を確立できずに終わった。それでも、吉田はそれをやってのけただけでなく、自身を日本人選手にとっての"パイオニア"と捉えている。

一切の恐怖心なしに、28試合でここまでわずか20失点しか許していないイングランドでもベストのディフェンスを引っさげ、サウサンプトンは首位チェルシーの元へと向かう。シーズンで最も重要な相手と戦うにあたって、吉田が明日の午後に抱える気持ちはこんなところであろう。

吉田も全てが順調であることに驚きを隠せないことを認めた。「シーズン前は、僕たちは苦戦するだろうなと思ってたんですよ。」だが、サウサンプトンはロナルド・クーマン監督のもと、意外なほどよく団結してきた。吉田もこれには、前任者のマウリシオ・ポチェッティーノの後任として、僅かに守備的ではあるが、クーマン監督の就任を「いい流れ」であると捉えているようだ。

どうやら、今年のリーグ王者になりうるであろうジョゼ・モウリーニョのチェルシーを相手しても、イングランドでのデビュー戦のようになる見込みはほとんどなさそうだ。あれは2012年の9月15日のこと、7年間、サウサンプトンが下部リーグでプレーした後の、プレミアリーグ4試合目であるアーセナル戦だった。吉田はオランダから移籍してきたばかりで、新しいチームメイトとは2回しか練習しておらず、彼らの名前もまだ覚えていなかったが、アドキンス監督はプレミアリーグがどんなものか分かるよう、吉田をベンチに入れた。

ところがサウサンプトンは1-0とリードされると、ジョス・ホーイフェルトが負傷し、吉田は前半28分でピッチに駆り出された上に、セインツは6-1で敗れた。「前半は、本当にずさんでした。けど、後半はより落ち着いていましたね」と、2年半前のデビュー戦を観念した様子で振り返った。「とても難しい、タフなデビューでしたし、結果も酷いものでした。」

吉田は今では、あの午後のことを自分を強くしてくれた「良い経験」だったとして見返すほどに自信と経験を得た。一体どんな秘密があるのだろう?どうやって、他の日本人選手より上手く、プレミアリーグで成功を掴み取ったのだろうか?

最初の答えは明白だろう。吉田は正確に、かつ言葉を慎重に選んで、このインタビューを英語で行った。イングランドに来た頃から比べると、遥かに上達している。「僕の英語は最初は完璧ではなかったです」と、当時を思い出した。「2年半ほどオランダにいたんですが、彼らはすごく簡単な英語を話すんですね。で、これが最初のステップとして良かったんです。ところがサウサンプトンにきたら、みんなとても早く話すもので。リッキー・ランバートと話すと、言ってること全部は理解できなかったですから。アイルランド出身のシェーン・ロング、ダヴォ(スティーブン・デイヴィス)、それからサミー・リーの英語も難しかったです。さすがに2年半も経つと、昔より分かるようになりましたし、心配もしてないです。生活も楽になりましたね。」

吉田は、はっきりと高い目標を掲げている。英語を習得した現在、「世界の人口の50%」と会話できるように、スペイン語を学んでいる最中だ。

彼は、怪我に苦しんだ李は語学にも悩まされていたと言う。今冬にマインツからレスターへの移籍を考えていた岡崎慎司に、フォックス(レスターの愛称)に加入することになるなら、英語を身につけないといけなくなるだろうと伝えたことを明らかにした。

「この英語が話せないってことは、日本の教育の問題なんですよ」と吉田は説明する。「僕が子供のころは、中学、高校と、12歳のころから英語を勉強しました。6年間の英語学習の後、みんな読めるようにはなりますし、少しは理解できるようになるんですが、話せない。試験のための英語であって、会話のためではない。だから英語が喋れないとなると、そもそも英語を使う機会がない(※筆写注:ここは単に"opportunities"と言っているので、筆者の拙い訳に、文脈から情報を付け足してあります)。残念なことですよ。日本の数人の選手は単に、勉強するべきときにしてこなかったんだと思います(※筆者注:ここも"lazy"と言っていますが、単に「怠け者」とするのではなく、私の推測を含めた意味合いで訳させて頂いてます)。」

一心不乱に英語を勉強してきたことが、他の日本人選手に真似ができなかった、吉田がディフェンスラインを整えられうる理由なのだ。

「全てのポジションが同じというわけではないですよ」と、彼は言う。「日本人にとってもっとも難しいのは、ストライカー、センターバック、ゴールキーパーでしょうね。僕がヨーロッパでプレーする唯一の日本人、ひいてはアジア出身のセンターバックなんです。ゴールキーパーでは、おそらく一人だけ、ベルギーでプレーする僕の友人(川島永嗣)がいますね。多くの中盤とサイドバックの選手が欧州でプレーしていますが、キーポジションは、先に挙げたポジションほど簡単ではないんですよ。チームの先頭に立たなくてはなりませんからね。その国の言語を話せなかったら、とてもその役割は務まらないんです。これが僕のと、他のポジションの違いでしょう。」

吉田が乗り越えてきたもう一つの障壁は、多くの筋力トレーニングをこなすことだった。

「一番大きな理由は体の大きさなんですよ」と、189センチある吉田は述べる。「ジムでのトレーニングはここでは完璧に違ってきます。日本代表では僕が一番身長と体重のある選手ですが、ここでは当たり前の大きさです。これがその訳です。日本人選手と比べればグラジアーノ・ペッレ(193センチ)はモンスターですよ。フレイザー・フォスター(201センチ)もモンスターですね。このような選手には日本にはいませんよ。」

吉田はサウサンプトンに当時所属していたランバートを、初めてジムで見た時の衝撃と、ダンベルが重すぎて上げられなかったことを覚えているという。彼はセンターバックの選手たちではなくむしろ、サイドバックの選手たちと筋力トレーニングに励んだ。だが時がたつにつれ、特に負傷していた間に、筋肉を付けていった。実に5kgほどの筋肉量をサウサンプトンに移籍してきて以来、増強している。かつては65kgが限界だったベンチプレスも今では80kgまで上げられるようになった。

語学習得とジムでのトレーニングの平行、これはとてつもない苦労であろう。吉田が未だにここでクーマンにとっての重要なプレーヤーとして活躍できていることを、頷かせる話である。彼はここまで、リーグ戦で57試合に出場している。この数字は、マンチェスター・ユナイテッド時代の香川真司、ボルトンでの中田英寿に加え、宮市亮や戸田和幸を上回っている。稲本潤一がボルトンとウェストブロムでの出場試合数を通算させて上回ってはいるが、吉田は契約延長という稲本の出来なかったことを成し遂げた。彼はサウスコースト(イングランド南部、サウサンプトンが位置するエリア)での更なる成功を願っている。

新契約については、「本当にいいことですよ」と語っている。「クラブの働きにはとても感謝していますし、(エージェントである)『ベースサッカー』にもです。契約延長は最初の契約を結ぶよりも難しいものですし、ここにまだあと3年半いれることになってとても嬉しく思っていますよ。ですが、まだ自分の質を示していかないといけませんがね。」

イングランドのリーグでの地位を確立してもなお、吉田はさらに多くを得ようとしている。単に自分自身のためにというわけではなく、次の世代の日本人とアジア出身の選手がここで輝けるんだということを証明するためにである。

「もしみんながこれを成功といっても、僕にはまだ足りない」と彼は言うが、彼に続くであろう選手のために、より高いところに照準を定めているからであろう。「自分が唯一のプレミアリーグでやってる日本人選手なのは分かっています。僕が、プレミアリーグでプレーする日本人にとっての、パイオニアになりたいんですよ。でも、もっともっと多くのことを成し遂げたい。50試合で2ゴール、カップ戦も含めて3つはもの足りない。次の日本人選手のためにも、もっと難しいハードルを設定してやりたいんですよ。」

「僕がプレミアリーグで成功することは、他の日本人にとっての手掛かりになるかもしれません。もっと上手くならなきゃいけない。僕の成功はアジア人ディフェンダーの成功に等しいものでもあるでしょう。僕が先例となれば、おそらくイギリスのチームだって日本人やアジア人のいいディフェンダーは有益な存在なんだと、見なしてくれるかもしれませんよね。それが僕の仕事です。」

【了】


[あとがき]

最後まで読んで頂いた方に、最大級の感謝を。あーせん(@PLfanpageJP)です。素人感溢れる、拙い訳ながら、ここまで耐えながら読んで頂き、本当にありがとうございます。
いかがだったでしょうか、英国高級紙であるインデペンデント紙が刊行した吉田選手のインタビュー。吉田選手が自分の成功の先に見る、日本とアジアの将来を考える言葉に僕も何か突き動かされるように最後のほうは訳していきました。吉田選手の指摘するように、どうしても英語の苦手な方もいるかもしれないと思い、誠に僭越ながら、筆を取らせて頂きました。
日本のメディアで何やら切り抜かれて紹介されていると、吉田選手は自身のツイッターで仰られておりました。真意が日本語でシェアされないのは、あまりにももったいなさすぎると思い、訳した次第であります。
どうしようもないミスを犯しているかもしれません、その際はツイッターまで、お知らせ頂けると喜びます。
では、またマッチレポでお会いしましょう。それでは。
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  1. 2015/03/15(日) 02:52:02|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

翻訳ありがとうございます。
吉田選手の志と意志の強さを感じるインタビューですね。

日本で取り上げられたものを読みましたが、本人もおっしゃっていたように切り抜かれたような違和感を感じていたので、全文を見ることができて本当にうれしいです。
  1. 2015/03/20(金) 17:17:18 |
  2. URL |
  3. 名無し #-
  4. [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2015/03/20(金) 20:38:08 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

既存メディア・ネットニュースの捏造・剽窃・既成事実化は恐ろしい
このブログのように個人が出来る限りの真実を発しているメディアの価値は計り知れない
  1. 2015/03/21(土) 00:30:28 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

NO FOOTY NO LIFEから飛んできました
英語のまったくわからない僕みたいな人間にはとっても助かります、ありがとうございました!
  1. 2015/03/21(土) 03:47:35 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

大衆紙じゃなくて、インデペンデント紙のインタビューってことに驚いた。
意外と(失礼)麻也は評価さてる?w
  1. 2015/03/22(日) 20:53:00 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

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Author:黒崎灯(あーせん)
英サンダーランド大学にてスポーツジャーナリズムを勉強中。サッカーを文章にすることで、読ませるものを書くようになりたい。到底才能もない凡人が、書き続けていったらどうなるんだろう。本当にほんの少しだけ、成長を期待してて下さい。

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